北岡 伸一 / 明治維新の意味

かんべえの不規則発言 2020年12月 で紹介されていたのと、以前から気になっていたので読んでみました。

これが面白い!

明治維新前後とそれに至る背景、どうしてこれほどスムーズに近代化できたのか、大久保利通、伊藤博文などがどんな苦心をして近代化の道筋を作り、進めてきたか、などがコンパクトにまとめてあります。

もともと大久保利通ファンだったので、これはとても嬉しい。 それに、知らなかったことがたくさんあって勉強になる。

大久保は、場合によっては手続き無視も辞さないところがシビれる。 こんな覚悟と胆力がある人が近代日本の礎を作ってくれたのが奇跡のよう。

イマドキだと手続を省略すれば、国会でやいのやいのと小物政治家どもがナンクセをつけるのが目に見えます。 選挙受けのことしか頭にない議員ばかりになったこの国のありさまを大久保が見たらどう思うのか。 もっとこの国のゆくすえ・かたちを考える議員が出て欲しいものです。

伊藤博文はお札になったのと女好きなことくらいは知っていた。 そのほかは知らないことが多くて、これも日本人なら知っておくべき内容かな。 お札になるくらいの人物だったのが分かるかも。

大久保も伊藤、原敬も暗殺されてしまうところが、なんとも残念。 彼らがもうすこし長生きしたら…と思わずにはいられませんね。

憲法についても、学校の授業では触れられない当時の苦心が分かる。 時代や背景を考えれば、大日本帝国憲法からも学ぶべき部分はありそうに感じます。 こういうのは、国としての経験値として考えるが良いんじゃないかな。

こういう歴史・経緯を知ると今の政治の見方もおのずと変わるものです。