マヌーシュ(ジブシー)のバカテク・ギタリスト、ビレリ・ラグレーンの1990年のアルバム。 ギター以外にはベースもビレリ・ラグレーンが演奏してます。 ビレリ・ラグレーンはジャコに大きな影響を受けているので、それが反映しているのでしょう。 “Three Views Of A Secret”も演奏して、そういう意味では分かりやすいですね。
アルバム・タイトルに”Acoustic Moments”とあるようにアコギでプレイしているようです。 “All The Things You Are”、”Impressions”のジャズの有名曲もアコギで弾き倒してます。 (単に”Acoustic Moments”という曲からアルバム・タイトルにしただけという線もありますな…。)
一曲目の”Made in France”がカッコいい。哀愁を帯びたメロディとソロが美しいです。 曲のどこがFranceなのか分かりませんけど。
最後の”Metal Earthquake”は曲もメタリックで、エレキギターを歪ませて、速弾きを聞かせてくれます。 ですが、これは何なのでしょう。 ギャグなのか、皮肉なのか、お遊びなのか、せっかくアコースティックな雰囲気で気持ちよく聴いていたものを最後にぶち壊してくれます。 (まあ、カッコいいのですがね…。)
個人的に思うのは、ビレリ・ラグレーンはテクニックを持て余している、ということです。 少し酷な言い方をすれば、音楽的にあまりチャレンジしているように聞こえない。
ハーモニーもマヌーシュ・スイングの範疇で、斬新さに欠けます。 曲はいい曲を書くと思うので、そういう部分が聞きたいですね。 ジャコに影響を受けたのなら、ベースを弾くようなことよりは開拓者の部分に近づく努力をするのが良いのになと思っています。