西浦博という人の予言がどれだけ信頼に足るものか、データと比較してみました。
西浦博の予言はニュース・サイトから引用です。一部スクリーンショットを利用させてもらいました。
データは東洋経済の新型コロナウイルス国内感染の状況を使いました。こちらもスクリーンショットを使わせてもらいました。
目次
2020年4月15日「対策ゼロなら40万人死亡」 厚労省クラスター対策班 (日本経済新聞)
どのくらいの期間を想定して40万人が死ぬと計算したのか分かっていません。
これを書いている時点で、新型コロナウィルスの流行の1年半で、亡くなったのは1万5千人です。 もちろん医療体制の整備やワクチンの効果があるはずですが、40万人という数字を出す感覚はどうだったんでしょうね。
試算した西浦教授は「新型コロナウイルスに対して何も対策をしない丸腰だった場合の数字。このウイルスは接触を大幅に制限すれば流行を止めることができる」と指摘。人と人との接触を8割減らせば、約1カ月で流行を抑え込めるとの見方を改めて強調した。
2020年4月の時点で「このウィルスは抑えこめる」と言い切れた根拠が知りたい。
2021年1月14日 “8割おじさん”西浦教授が警鐘「このままでは2月末に東京の感染者は1日3500人」(文春オンライン)
“8割おじさん”西浦教授が警鐘「このままでは2月末に東京の感染者は1日3500人」
「このまま」の意味するところで解釈が分かれるかも知れないですね。
この記事で話をしているであろう時期がおそらく陽性者数のピークで、その後はどんどん減少していったのが現実でした。
2021年4月15日 大阪府 4月末重症者500人超か 京大西浦教授計算「至急対応を」
大阪府 4月末重症者500人超か 京大西浦教授計算「至急対応を」
NHKのニュースからスクリーンショットです。予測はこれです。
実際は下のような推移でした。ピークは確かに500人近くなりました。
ただ、予測ではピークアウトがないですね。ずっと増加していく予測だったのか、どこまでピークが増大するのか分かりませんね。 あと、ピークアウトしたデータから実効再生産数を算出して、それがリーゾナブルなのかも知りたいところです。
2021年6月10日 8月初めに再び緊急事態宣言レベルの感染拡大 8割おじさんこと西浦博さんが最新のシミュレーションを公開 (BuzzFeed Japan)
8月初めに再び緊急事態宣言レベルの感染拡大 8割おじさんこと西浦博さんが最新のシミュレーションを公開
西浦博の予測はこのようなグラフでした。これを書いている2021年7月20日時点での東京の重症者数は下のグラフのような推移です。 これから増えるという予測なのかも知れませんが、どうなるか楽しみですね。
おわりに
予測なので、外れるということは仕方ないと思います。 ただ科学者だとするならば、外れた原因など検証してモデルを修正していくのが普通だと思います。 外れたままのモデルで予測を続けることが、そもそも意味のあることなのでしょうか。
今までの彼のやりかたは、およそ科学者とは思えない言いっ放しの態度です。 これで感染症数理モデルの分野の信頼性が保たれるのか疑問です。 こんなに外れたまま検証もしないで研究者として名乗れる分野があるんですね。これって研究なの?