渡辺香津美の作品のなかでは、これと”Talk You All Tight”が好きです。
本作と”Talk You All Tight”はマライアのメンバーが多く参加しています。 ということでこの2作はぼくの中では割と似た印象です。 なんと言っても清水靖晃の存在感が多きい。
ニューヨーク録音・ミックスですが、たしかにニューヨーク・フュージョン的なコンテンポラリーなサウンドです。 日本人の演奏で、こういうサウンドになるのはあまり無い気がします。
ジャズ畑のルーツを持つ渡辺香津美とマライアの出会いが生んだサウンドということかも知れません。 ギタープレイはともかく、指向としてはラリー・コリエルの影響が感じられる渡辺香津美の場合は、フュージョンというよりはクロスオーバーのほうが相応しい。
名義も”Kazumi Band”となっていて一時的なセッションというよりバンド感が強いです。 バンド感を強く感じるのは曲やアレンジからでしょうね。 キーボードソロやサックスソロもあるので、 ギターのソロが少ない気もしますが、バンドのケミストリーが感じられて物足りなさは感じません。
ギターのサウンドも好きです。 ポール・リード・スミスになってからはあまり好みではなくなってしまったのですが、この時期の歪みはわりとストレートなサウンドです。 モジュレーションが強い歪みはどこかハイラム・ブロックを思い起こさせます。
残念ながら、本作は廃盤らしくてAmaoznでも中古しか入手できないようです。 ぼくが持っているのはレコードなのですが、ジャケットが青い。なんででしょう?