Twitterで流れてきて読んでみました。作者の宣伝も上手ですが、中身も面白く読みました。
この本の良いところは
- 各文豪のグループごとにまとめてあって、文豪どうしの関係も分かる
- 代表作の紹介があって、プチ文学史としても使える
- 各文豪のエピソードがコンパクトにまとめてあってテンポよく読める
といったところでしょうか。
夏目漱石のへタレっぷりには「あの夏目漱石でさえも」と勇気づけられますし、宮沢賢治の優柔不断なところも愛嬌がありますね。 なかには、呆れてしまうようなエピソードもあって個性豊かな文豪の横顔が楽しめました。
個人的には、文学に限らず、常軌を少し外れるくらいでないと創作や創造的な仕事はできないように思っています。 すべてにおいて完璧な人なんていないし、文豪だって例外ではないのです。 人のダメなところや欠点も可愛らしいと思えるようになるための本としても良いと思います。
今日び、アーティストや俳優のスキャンダルではバッシングが盛んですが、例えば不倫にしても他人には何の被害もないわけです。 そういう人生経験から表現をしている部分もあるのだと、他人の失敗にはもう少しおおらかに見るような社会が良いなと改めて思いました。 (だからと言って不倫や他の犯罪などをぼく自身が肯定しているわけではありません。他人をどうこう言うのではなく、自分はやらないようにしようとすれば良いだけのことです。)