無添加の云々は置いておいて、身近な調味料なのに知らないことが多かった。 この本に書いてあるような基礎的な知識は持っておいて損はない。
鵜呑みにする必要もないが、参考にはなると思う。
目次
みりん
みりんは、自分が一番混乱していた調味料だった。
お店に本みりんを置いてなかったと思ったら酒類のコーナーに置いてあったなんてこともあった (みりん風調味料はアルコールを含まない)。
本みりんはもち米・米麹・焼酎による伝統製法のものが推されている。
ちなみに本みりんの一般成分表によれば 100 gあたり、利用可能炭水化物(単糖当量) 26.8 g (炭水化物は43.3 g), 水分 47 g, アルコール 9.5 g とある。 大雑把に本みりんの1/4が甘いもの成分と考えて良いのだろうか。
料理酒
これもよく理解してなかった。
「料理酒」と表示されている調味料は糖類や塩分が添加されている。
純米酒を選ぶことが推奨されている。
砂糖
原料はサトウキビとテンサイの2種類。テンサイは農薬を多く使うという。
砂糖そのものは大きく黒砂糖と精製糖に分けられて、「本物」は黒砂糖とある。
黒砂糖はビタミンやミネラルも含むようなので、少量を料理に使うのであれば黒砂糖を使うほうが良いように思う。 まあ使わなくても良いなら使わないのが一番良い。
塩
塩は精製塩・天然塩のほかに再生加工塩があるのは知らなかった。
自分が天然塩と思って買っていた塩は実は再生加工塩だった! 再生加工塩は精製塩と海水やにがりをミックスしたもの。なんだかな。
酢
醸造酢と合成酢の二種類。
合成酢は氷酢酸に甘味料やアミノ酸調味料をミックスしたもの。 (氷酢酸は学生時代に実験で使ったな。半導体のエッチング剤として。 この氷酢酸の原料は何なのか。 あれを摂るのは勘弁してほしいな。)
醸造酢は穀物酢・果実酢・醸造酢の三種類。醸造酢の醸造酢は「穀物酢と果実酢」以外らしい。なんだこれ。
米酢は米酢と純米酢の二種類(なんだこれ#2)。
米酢は米+アルコール、純米酢は米100%。黒酢は玄米で作る米酢。
米酢のアルコールは原料の米の量を減らせるから使うらしい。またアルコールの原料は表示されていない。
この書物では純米酢を推している。酢は醤油ほど使うものでもないから、少しくらい奮発しても良かろう。
静置発酵法という伝統的で時間を要する製法のものを選ぶことが薦められている。 こういう知識を持って酢を選ぶと、使う時、味わう時もなんとなく気分は違う(かも知れない)。
醤油
醤油の種類は濃口・うす口・溜まり・再仕込み・白の5種類あるらしい。
醤油には等級があって、特級・上級・標準の三つのランクがある。
本醸造が推されている。本醸造のなかでも天然醸造が良いとされ、醸造の促進酵素を不使用・添加物不使用。
味噌
母親が味噌の手作りにチャレンジしていたこともあったが、味噌そのものは詳しく知らなかった。
原料が大豆・麹・塩。麹は米・麦・大豆の三種類がある。
色で白・淡色・赤の三種類に分類される。
一番馴染のある米味噌は甘味噌・甘口味噌・辛口味噌に分類される。信州味噌は辛口に分類されるようだが、たしかに信州味噌を買ってみると塩味は強め。
色に違いは熟成期間の長さに関係していて、熟成期間が長いほうが色が濃くなる。
製法は天然醸造と速醸法に分けられる。
加熱処理をせず、添加物を加えないものは天然醸造と表示できる。
加熱処理されていると酵母菌が死んでしまうので、せっかくの発酵食品が台無しだ。 最近は意識して生味噌を選ぶが、店によっては置いてある種類が多くない。
甘口の味噌は、それはそれで味わいがある。 毎回同じ味噌ではなくバリエーションを増やすと同じ具材の味噌汁でも新しい発見があったりする。