レプリコン販売元の持株会社 明治HDが調子悪い理由

Meiji Seikaファルマが、原口議員を提訴

レプリコン・ワクチン(コスタイベ)販売元であるMeiji Seikaファルマが、原口議員による名誉毀損で見込まれた売上を大きく下回ったとして提訴した: https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/pressrelease/2024/detail/pdf/241225_01.pdf

親会社である明治HDの状況

2024年11月22日には持株会社である明治HDの株を金融機関が売却している: 明治HD株、りそな銀など金融9社が売却 420億円規模 – 日本経済新聞

11月の時点で年初来安値を更新しているとあるので、調子がよろしくないことがうかがえる: 明治HDが1週間ぶり安値更新、1273万株の株式売り出し発表|会社四季報オンライン

明治HDが調子悪い理由

レプリコン・ワクチン(コスタイベ)販売元の持株会社 明治HDが調子悪い理由について興味深いポストがあった。

ポストが複数になっているので、まとめて引用しておく:

勘違いされているけど、明治HDを追い込んでいるのは反ワクではない

昨年無料時に参入して140万回供給したけど95%廃棄された第一三共のワクチンを無視して、無謀にも使い勝手が最悪の1バイアル16接種で、有料化された今年に430万回の供給計画を立てたせいだよ

反ワクは単なる目眩まし

そしてもっと大事な事は、明治HDの戦略は高齢者はレプリコンで、小児は不活化ワクチンの2本立てにしてシェアを取ること

接種率が高いとは言え下がり続けている高齢者だけでは先細りで、不活化で幼児やその親に打たせてパイを広げなければならない

その不活化の実用化の目処はと言うと、これが厳しい

まず明治は不活化を2022年に5類化前に緊急承認制度を使って承認させようとしたが、これを断念した

理由は塩野義のゾコーバの事例を見て緊急承認でハードルが高いと考えたから

ゾコーバと言えば医クラが叩きまくっていたのは有名だが、これで大きく躓いた https://mixonline.jp/tabid55.html?artid=73889

緊急承認でないと通常承認になるが、これだとレプリコンのコスタイベみたいに、オミクロン前に発症予防効果を出して、後は変異株対応をマウスの抗体価で承認する手が使えない

オミクロン相手にワクチンが発症予防効果を出すのはそもそも難しいが、通常承認に変えたため、臨床試験は2023/12に開始となり、これが更に不活化承認に向けて、2つの不利な要因を発生させた

一つは幼児、小児の既感染の劇的な増加

2022年の始めならオミクロンが広がり始めた頃だが、もはや子供は多くが既感染

コロナに感染してほとんど何事もなく回復していくのを間近で見た親が、わざわざ不活化ワクチンの臨床試験に参加しないし、臨床試験に人を集める事が困難になった

実際にこの不活化の臨床試験と同時期のXBBワクチンの幼児、小児接種率はわずか2%

そもそもワクチンへの関心自体が激減した

そしてもう一つの大きな要因が、この不活化ワクチンのタイミング

不活化ワクチンはXBBワクチンで臨床試験を行うが、2023/12/7に開始した事が不幸なタイミングだった

その理由がこれ

変異株の推移と明治の臨床試験開始日のグラフ

赤線の一番左が明治の臨床試験開始日で、次の赤線が2回目の接種となる28日後

その次の赤線が効果が出ると言われる2週間後

完全に次の変異株に切り替わっているが、これはとても大きな意味を持つ

何故ならXBB1.5系統とBA.2.86以降は同じオミクロンでも35以上の変異があり、元々、XBB系統から少しの変異があっても大丈夫と言う目論見が破綻するから

実際に他のmRNAのXBBワクチンもこの影響を大きく受けたので、昨年9月に開始したワクチンの発症予防効果はこの有様

90日以降に効果が大きく落ちているが、これは流行する変異株がJN.1系統に切り替わった影響が大きい

明治は不活化ワクチンの被験者が集まらないとの理由で申請を延期したが、被験者が集まっても古い株のワクチンで発症予防効果を示す難題が残る

Meiji Seikaファルマの社長は不活化ワクチンを製造する予定のKMバイオの代表取締役会長を兼務し、なおかつ明治HDの医薬品の戦略を担っているのだから頭が痛いだろう

そして更に追い打ちをかけるのはインフルワクチンの使用量が20%減と小林社長が述べている事

明治はインフルワクチンのシェアが29%で国内トップ

結局、コスタイベで新規に収益を見込んだが失敗し、2本柱になるはずの不活化の実用化に困難があり、更に既存の柱までダメージを受けている

明治は現在のコスタイベの出荷数推移、不活化ワクチンで発症予防効果を示して実用化する目処、インフルワクチンの例年に比べた出荷数を早急かつ随時示して投資家を安心させて欲しい

明治は今の売れない理由が1バイアル16接種という使いにくさと言い訳しているが、そもそも他のワクチンも昨年ほど売れていないし、来年以降バイアル変更して1000万回供給と言っているが、今すでに理想的なバイアルのファイザーですら、その回数は難しいので、バイアル変更しただけではとても無理だろう

これを見る限り、コロナはインフルの3割程度の接種率で、インフルは例年2500万回だから750万回

インフルが20%減なら、600万回で、各社合わせても600-700万回にしかならない

明治が430万回の無謀さが良く分かると思う

このポストの内容によれば、原口氏の言動以前に、昨今のコロナウィルスや国民のワクチンへの意識の状況からすると事業計画が無謀であり、そもそも採算が見込めるような事業ではなかったのである。

裁判で勝てそうなのかね?