ギターのテクニック vs グルーブ

西尾知矢氏が押尾コータローとトミー・エマニュエルのセッションでの気付きを語っている。

かなり雑にまとめると、押尾コータローのギターの絡みがいまいちノっていないように聞こえるのは、テクニックではなく、グルーブとかビートの感じかた、リズム的な面での表現力の違いというのが西尾氏の感想だと思われる。

実際、元ネタの動画を観ると確かに、トミー・エマニュエルのノリにまったく乗り切れていないような絡み方に聞こえる。 ノリをグルーブというのか、ビート感というのかは正直分からない。トミー・エマニュエルの演奏は曲が進む推進力を感じさせる。

ディスる意図はまったくないが、押尾コータローに限らず日本人のフィンガー・ピッキング・ギタリストの演奏で弱いのは、リズムの面で推進力を感じさせることが少ない点だと思っている。

もちろん「日本人的なリズムで良いじゃないか」という意見があるのも知っている。 自分はそれでカッコ良ければ良いと思う。 しかし、たいていはあまりカッコ良くならない。だから、悩むポイントになる。

フィンガー・ピッキングで、ヒッティングするのは自分は好みではないが、たとえば下の動画の演奏はギターだけで身体を揺らせるくらいのビート感を表現できている。 (アクセントが2・4拍にあるのやはり大事と感じる。)

上の動画はボディのヒッティングは効果的にビートを感じさせるが、やたら叩いているだけのような演奏もよくある。 自分がヒッティングを好きになれない理由は、単純に耳障りが良くない音を出していたり、リズムの土台が安定していないギターをヒッティングのような派手なテクニックで誤魔化したりしているように聞こえるから。

トミー・エマニュエルのシンプルながらノリノリの演奏の一例はこんな感じ(ヒッティングがないな?あんなの飾りです。偉い人にはそれが分からんのですよ、と思わせる)。