Tesla Model S のバッテリー寿命が長いというデータについて

Tesla Model S のバッテリー寿命が長いという主張があります。 テスラのオーナークラブがまとめたデータをもとにした解析結果では、走行距離が24万kmの後でも92%の容量維持率があるとしています。

Tesla Model S battery degradation data

この容量維持率の計算は、Model Sのダッシュボードに表示される”rated range”をもとにしています。”rated range”はク ルマのバッテリーの残容量を電費で割ったものです。( オーナーがTesla に問い合わせた結果 。)

容量維持率は、現在100%充電した状態で表示されている”rated range”を新車時の”rated range”で割って算出しています。

しかし、”rated range”を計算するためのバッテリーの残容量の詳細は明らかになっていません。Model Sは何かしらの方法で、現在の状態からバッテリーの残容量を計算しているのですが、そのクルマの残容量を実測した値ではないと推測されます。 ですから、”rated range”はそのクルマの実測データではないということに注意が必要です。

実際の残容量を計測するには満充電から完全放電してバッテリーの容量を測るか、満充電で実際にバッテリーが空になるまでの距離を測るか、が必要です。

しかし、こういう方法は実車では用いることは現実的ではありませんから、電気自動車ではなるべく簡単に残容量を算出できるようにしています。 “rated range”はこのような残容量の計算をもとにしているわけです。

Model Sの残容量計算がどのくらい信用できるかは知る由もありません。正確かも知れませんし、そうでないかも知れません。 ただ Model Sの距離見積もりに不満があるオーナーもいるようです(Disappointed with range estimate in first long term drive )。

上記のオーナークラブの解析結果は、言うなればModel S の残容量算出アルゴリズムが「満充電でこれだけ走れる」と主張しているもので、実際に走れるのかを確認したものではないということです。もう少し冷静に判断するのが良さそうです。

Gigazineの記事はこちら。

テスラ・モデルSの寿命を決め得る「バッテリー」の劣化具合はどれくらいなのか?

この動画はかなり煽っている感じです。内容はともかく、歯切れよく言い切る姿勢は嫌いではないです。

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