マイルスのブランク後の復帰作です。 マイク・スターンが参加しています。が、参加してソロをがんがん弾いているのは1曲目の”Fat Time”だけです。残念。
でも、ここでのソロはかなり良いです。 メカニカルで、ポリリズミックなフレーズやラン奏法などスリリング。 ちょっと粗い部分もありますが、それも味。 クロマチックなフレーズも、ウニウニ感が控えめです。
サウンドは、もろコーラス使ってますというトーンです。 途中で、定位が左右に振れるのはコーラスっぽいです。 全体的にトレブリーですね。
この時期に使っているギターはたぶん白いストラトでしょう。
このストラトはブリッジ・ピックアップのスラント角度が普通と逆になってます。 ジミヘンを意識なのでしょうか。
1曲目以外のギターはバリー・フィナティです。バッキングのみ。
このアルバムはサックスのビル・エバンスが絶好調です。 こんなに良いサックスを吹く人なんですね。
惜しむらくは、アルバム全体の音が少し良くない感じがする点です。 安いスピーカーで聴くとほんと安っぽく鳴ります。 どういうことかと言うと、低音がスカスカで、中域より上がうるさい仕上がりに聴こえる。 生々しい感じがしなくもないですが、全体のバランスに失敗しているように思えます。
このアルバムとは関係ないですが、マイク・スターンがマイルス・バンドに復帰した時の動画を見つけました。 テクニックが洗練され、ソリストとしても一皮剥けた感じ。 こういうのが、マイルスの好みかどうかは分かりませんが…。