内海聡氏による正しい風邪の直し方

内海聡氏による「風邪感冒や胃腸炎になってしまったら具体的にどうするか」の解説。

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最近風邪感冒や胃腸炎みたいなのが流行っているそうです。昔から風邪や感冒や胃腸炎になった時はいろいろな方法がありました。しかし最近の大人はこんなことも知らないで病院に行くのでお話になりませんね。風邪薬や対症療法薬がダメという話はこの記事ではもうしないで、そちらは調べてもらうとして具体的になってしまった時、どうするかを考えてみましょう。

また症状についても認識を改めることが必要で、発熱、吐き気、下痢、じんましん、頭痛など、治すために出ているモノであり消してはいけないものだと考えられなければ、方法論を考えても意味ありません。 一言で表現するなら「食うな、動くな、寝てろ」になるのですが、これだと不安に思う人もいるようですね。不安=学んでないだけなのでクレクレといえばそれまでですが、もう少し詳しく書いてみます。

まずこのような感染症になった時重要なのは食べないことです。動物もそうしますが食べることは体に負担にもなります。食べていない時に体は免疫を高め酵素を活用し治そうとします。病院で胃腸炎の時に絶食にするのも理屈は同じです。ただしここで重要なのは水とミネラルはしっかり摂ることを勧めたいということです。 老人でも子どもでもそうですが、感染症の時に困るのは脱水とミネラル不足、それに続発する意識障害などです。

よってしっかり温まりながら水とミネラル(具体的には天然塩)をとって様子を見るのが一番良い。梅干し、レモン、生姜、味噌などをうまく使うのもありです。解熱薬は体温が42度に達するまでは使う必要はありません。咳止めや吐き気止めや下痢止めはもちろん悪くなったり治癒期間が延長するので、吐くときは吐く、下痢はしっかり出して、その分の水分やミネラルを補充するのが重要です。

この治癒期間を短くしたいときは自然療法、栄養療法、ホメオパシー、漢方などをうまく使えばよいでしょう。どれがいいとか言えるものではありませんが、スギナ茶、ビタミンC、レメディ、漢方などどれも治癒力を助けるものです。これが治すのではないということがポイントであり、治療家でも代替療法をやればよいなどという人は皆嘘つきなので注意しましょう。

お風呂については私は勧めませんので、汗をかいてもしっかり汗を出し切り汚いとか考えないのも重要です。 回復期になると食欲が出てきますから、直接糖を避け揚げ物や植物油を避け野菜を避けてください。野菜が意外と思う人がいるかもしれませんが、もともと野菜が消化に悪いのは常識的なことです。淡泊な肉のおかゆや魚などのおかゆでミネラルは多めにして、場合によっては生薬やハーブを入れるのもいいでしょう。

回復期をすぎたら雑食で偏った食事をせず栄養豊富なものを食べてください。また、こういう感染症になるのがいいことだという嘘を言っている人がいますけど、本来は感染症にならないのがいいのであり、なっている段階で身体に悪いことと日々の食事が間違っていることを自覚してください。 最後にどのタイミングで西洋医学を使うのかをご紹介します。一番は意識障害がみられるときでこれは脱水の危険があります。

また長引いて痰などが変調し呼吸障害が出てきたときは、当然肺炎などの可能性があるので病院に行っていいでしょう。あとは吐下血などがある時ももちろん病院に行っていいですし、急に途中で腹痛が強くなったり、便などが逆に出なくなっているとき(腸閉塞など別の要因の可能性がある)も病院を利用するのは構いません。西洋医学の利点は救急であり重症時の対症療法であることを忘れないようにしましょう。

(自分は未読だが)野口晴哉の「風邪の効用」にはこのようなことが書いてあるようだ:

子供のころは親に病院に連れていかれたことは何度かあるが、小学生の高学年くらいからは風邪で病院に行ったことはなかった。

子供が生まれてからも2回ほど病院で薬をもらったことがある。基本的に自力で治している(無知で風邪薬を使ってしまっていたが)。

たまに風邪で調子を崩して、1,2日寝ているのも良い。

寝込む時に思い出すのが良寛のこの言葉(参考 良寬 珠玉の言葉 41~52 | 良寛ワールド):

うちつけに 死なば死なずて 長らえて かかる憂き目を 見るがわびしき

しかし、災難に逢う時節には 災難に逢うがよく候、死ぬ時節には 死ぬがよく候

是はこれ 災難をのがるる妙法にて候。

風邪なので死ぬことはないと思っているが、「病気になる時節は病気になるがよく候」と思っている。